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TPPと自由競争に反対する農家の組織票を当てにする自民党

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TPP聖域5品目を固持する自民党と既得権益にこだわる日本の農業

 選挙特集の第3回はTPPについて取り上げる。毎日新聞の世論調査では、賛成が41%、反対が18%と賛成が反対を上回っている。一方で分からないも35%と少なくない。

TPPって一体何

 世論調査で3人に1人が「分からない」と回答するTPPとは何だろうか。
 外国からモノを輸入する時、関税という税金がかかる。関税は、外国から安い輸入品が入ってくることで、国内産業が打撃を受けることを守ることが目的だ。
 TPPの内容は幅広いが、そのうち、大きく取り上げられているのが関税の撤廃と混合診療の解禁である。これに反対しているのが農家と医師会だ。日本の農業や国民皆保険制度が崩壊する、というのが彼らの反対の理由だ。

TPPに反対するJAと農家

 農家がTPPに反対するのは「安い外国米が入ってきて、消費者は国産米を買わなくなり、米農家は打撃を受ける」からだという。だが、消費者が国産米を買わなくなるというのは誤りだ。消費者は、国産米か輸入米かを価格・品質・ブランドから選べるようになる。価格を重視する人ならば輸入米を選ぶだろうし、品質やブランドを重視する人ならば、高くても国産米を選ぶだろう。特に味にうるさい人が多い日本人は、安い輸入米よりも、これまで通り国産米を選ぶ人が多いのではないか。

 牛肉でも、スーパーでは国産牛と外国産牛肉の両方が店頭に並んでいる。家電も一緒だ。ソニーやパナソニックなどの日本メーカーの製品の横には、サムスンやLG電子の製品が並んでいる。米となったとたんに、反対するというのはいかがなものか。

欧米の広大な大地に見た農業

 欧米で長距離列車の乗ったことがある人なら気付くだろうが、都会を離れると、車窓には地平線の彼方まで延々と牧草地帯や耕作地が広がっている。つまり、大規模農業が行われているのだ。
 日本はどうだろうか。列車で都会から田舎へと出ると、田園風景が広がっているが、家や集落がぽつぽつと見えるのだ。それらが農家である。欧米と違い、駅がこまめにあることも、そこに人が住んでいることの証明だ。日本で農業を営む事業者が、極めて小規模な農家が多いことがわかる。
 集積化、合理化されて低コストで生産された海外の安い米が、日本に入ってくるようになれば、日本の農業に少なからず危機をもたらすことは間違いないだろう。小規模な農家には、欧米のように最新鋭の耕作機を導入して、合理化を図るなんてことはできない。ならば、日本の農家は、法人化して、大規模化・合理化による生産性向上やコストダウンを推し進め、外国米に負けないような品質と価格を提供すればよいではないか。それをせずに反対だけしている姿は、自由競争を嫌がっているだけにしか見えない。

農家の組織票をあてにする自民党

 なぜ自民党は、農家の肩を持ってTPP参加交渉に反対するのだろうか?得票目当てなのは言うまでもないが、ここにも日本特有の年功型の縦社会が関係してくる。

 日本では、能力よりも年功が重視されるのは知っての通りだ。特に保守的な官僚機構や政界であればなおさらだ。政治家にとっての年功とは、すなわち当選回数なのだ。
 地方には、強固な組織票がある。農家であれば農協の推す人、医師であれば医師会の推す人などのように、自分の業界団体の推薦する候補に投票する。さらに、地方に住んでいる年配の人ほど、保守的な傾向もあるため、「民主主義の本質」を理解していない人が、「選挙と言えば自民党」というように深く考えずに投票するケースも少なくないだろう。これは、当選回数の多い議員の大半が、地盤が地方であることがわかる。逆に都会では、様々な職業や年代の人が多く、無党派層と呼ばれる特定の支持政党を持たない人も少なくないため、組織票の力は弱くなり、浮動票の割合が非常に高くなる。だから、当選回数を重ねることが難しいのである。

 議員数で言えば、都会選出の議員の方が、地方選出の議員数よりも多い。だが、国会内で力を持っているのは、当選回数が多く、勤続年数が長い、地方選出の先輩議員となる。従って、都会よりも地方の有権者の声が重視される。その結果、資本主義的な自由競争よりも地方の農家の既得権益の保護が優先されたり、経済効果が見込める都会のインフラ整備より、地方に誰も使わない道路やハコモノを作ることばかりが優先されたりするのだ。一票の格差が、都会と地方で差が大きいことも地方有利に拍車をかけている。

自民党「日本を取り戻す」(笑)

 今回のエントリーでは、TPPと医療の関連については取り上げなかった。TPPに参加することで、国民皆保険制度が崩壊するという声もあるが、私は杞憂に過ぎないと思っている。これは別の機会に取り上げるとしよう。

 都会よりも、地方の有権者の声を優先して、TPP参加交渉に反対し、公共事業に多額の予算をつぎ込もうとする自民党を見ていると、かつての自民党と何ら変わりがない。 「日本を取り戻す」の意味が分かったよ。(笑)

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ガラニート日本村社会に適応できないコミュ力(=KY力)なし・職歴なしのニート。日本のクソな労働環境や社会構造に嫌気がさして海外脱出。

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